皆さんは、アパートの賃貸契約や、携帯電話の購入時などに契約書にサインしますよね。
このような場合、契約書は、必ず控えを受け取りますが、契約書をなくしたり、捨ててしまうことってありませんか?
契約内容をしっかり覚えているから大丈夫?
そんなことはありません、契約書は絶対に捨ててはいけません!なくさずに大切に保管しておいてください。
契約書は、後々契約の相手方とトラブルになった場合に重要な役割を果たします。
そこで、今回は、契約書を捨ててはいけない理由について、弁護士が解説します。
1 契約書は裁判の証拠として重要
私たちは日常生活の中において、土地や家を買ったり借りたりする場合、携帯電話を契約する場合、大学や専門学校に入学する場合など、比較的大きな金額の取引をする場合、必ず契約書を作成します。
契約書は、当事者間で紛争になった場合において、証拠として重要な役割を果たします。
契約書などの当事者の意思が客観的に記された証拠は、裁判の勝敗を分ける非常に重要なものです。
特に、契約書は、証拠の中でも非常に重要な位置を占めています。
なぜならば、契約書は、問題となっている契約に関して、当事者間で合意した内容が記載されているからです。
この点、当事者の一方の認識や言い分を記したに過ぎない日記やメモ帳等とは全く価値が異なります。
したがって、契約書を捨てたり、紛失してしまうと、後々相手とトラブルになった場合、合意した内容を証明することが難しくなってしまうのです。
いや、契約書はお互いに1通ずつ所持しているのだから、仮に自分がなくしても、相手が持っているから大丈夫だろう? 相手に契約書を提出させればよいのでは?
残念ですが、相手とそのような信頼関係が維持されているのであれば、そもそもトラブルにはなりません。相手方は、自分に不利な条件の契約書の場合、こっそりと隠したり、捨てたりしてしまう可能性もあるのです。
2 契約を口頭で行う場合のリスク
他方、当事者間の口頭の合意のみで、契約を交わした場合、後に契約内容が争いになった場合、「そんな合意はしていない。」「代金は、原告の主張する100万円じゃない。」などと否定されてしまうリスクがあります。
裁判官は、当事者間の契約に立ち会っていませんので、どちらが真実を話しているのか分かりません。
そうすると、結局、原告の主張する合意があったのか、無かったのかが分からない(証明できない)ことになり、結局、裁判に勝てないということになります。
もちろん、契約書面がない場合でも、第三者の証言や、領収書その他の資料などから、契約の内容を証明できる可能性はあります。
しかし、当事者間で、契約の詳細についてあらかじめ書面できちんと作成しておけば、無用な争いは避けることが出来ます。
また仮に、後になって紛争が生じたとしても、契約書に書かれた条件については、ひっくり返されるリスクを圧倒的に減らすことが出来るのです。
このように、契約書は、裁判で証拠としても非常に重要な価値がありますので、大きい金額の取引をする際には、必ず契約書を作成しておくことをおすすめします。
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