目次
【結論】
母と二男は、債権者に対する借金の返済を拒むことは出来ません。それぞれ法定相続分に応じた借金の返済義務があります。
【解説】
割とよくある勘違いですが、「相続放棄」と遺産分割協議での「相続分の放棄」は、法的に同じではありません。
相続放棄は、家庭裁判所に申述することで行います。相続放棄した者は、最初から相続人ではなかったことになります。その効力は、第三者に対しても、主張できます。したがって、父の債権者からの借金の請求についても、相続人ではないので支払う義務はありません。
一方、遺産分割協議での話し合いで、長男だけが財産を相続し、母と二男は借金等のマイナス財産も含めて相続しないという(相続分の放棄)結論に至っても、それは、あくまで相続人間でのみ有効なのです。債権者に対しては、遺産分割協議の効力は主張出来ません。したがって、母と二男は、法定相続分(母は2分の1、二男は4分の1)に従って、借金を返済する義務を負います。
このような思いもしない事態にならないように、被相続人に多額の借金がある場合には、相続放棄をしておくのが無難です。相続放棄のやり方については、こちらの記事を参考にしてください。
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