みなさん、内容証明郵便って聞いたことありますか?
もしかしたら、受け取ったことある方、出したことある方もいるかもしれません。
内容証明郵便という名前から、何かすごい強力な力があるようなイメージを持つ人もいるかもしれません。
実際、紛争の相手方に対し、内容証明郵便を出してくれと依頼されることもあります。
そこで、今回は、知っているようで知らない、内容証明郵便の内容について、解説します。
【結論】
内容証明郵便は、文書の内容、差出人と受取人、差出日の日付が日本郵便株式会社によって証明される効力があります。これ以上の効力はありません。
【解説】
内容証明郵便の法的効力
弁護士から、内容証明郵便が届いたという理由で、法律相談に来られる方がいます。
皆さん、大変焦っており、出来るだけ早く相談予約を希望します。
これは、内容証明郵便に、「2週間以内に100万円を支払え」等と、期間を制限して、金銭の支払いの要求をしている内容が書かれているからでしょう。
しかし、内容証明郵便は、文書の内容、差出人と受取人、差出日の日付が日本郵便株式会社によって証明される効力しかありません。
したがって、届いた内容証明郵便の内容に従わないからといって、
- 直ちに、差し押さえなど強制執行されることはありません。
- 「100万円支払え」等と要求された金銭の支払義務が確定するわけでもありません。
- 「2週間以内」等という支払期限にも法的拘束力がありません。
- 法的措置すなわち裁判等に自動的に移行するものでもありません。
弁護士からの内容証明郵便は、強い口調で、金銭の支払いなどの要求をしてくることがありますが、判決文のように強い法的拘束力のあるものではありません。
内容証明郵便を出す目的
内容証明郵便を出す主な目的・メリットは、
⑴ 消滅時効に関する「催告」(民法150条)のため、
催告をすると、消滅時効の完成が6か月間猶予される効果があります。
⑵ 契約解除の「催告」(民法541条)のため、
⑶ 裁判外での紛争の交渉で自分の主張等を「証拠」として残すため、
⑷ 内容証明郵便を送ることで、相手方を心理的に圧迫させて自分の要求に従ってもらうため、
などがあります。
ちなみに、上記⑷の目的は、受取人が内容証明郵便の効力を知らない、もしくは誤解していることを期待している面があるので、多くの人に内容証明郵便の正しい効力が知られてしまったら、意味がなくなってしまうかもしれません。
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